KBTのブログ

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映画「杉原千畝 スギハラチウネ」

今日は夜勤明け後にクルマ5分の映画館に行き、ファーストショー(500円引き)で見たかった「杉原千畝 スギハラチウネ」を鑑賞。第二次世界対戦直前ー開始後にリトアニアに駐在した外交官で、ソ連が領事館閉鎖を迫る中で約2100人のユダヤ人等に独自の判断で日本通過ヴィザを発給、家族を含めると数千人の命を救ったとされるスギハラの物語。

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実際に映画を見てみると、情報戦を描いたスパイ映画みたいな序盤で始まり、スギハラの人間性を描くのは1時間以上経た中盤からでかなり意外、外国人監督らしいやり方。そのあとはスギハラ最大の偉業といえるヴィザ発給の課程を綿密に描いています。大人数のエキストラ動員や満鉄「あじあ号」の走行シーン(模型を走らせているとは思えず、精密なCG?はて、どうやったんだろう?)などに目を奪われました。悪者であるドイツ兵および兵器がなぜかカッコよく美青年ばかりに見えるのは、もしかしたら「独軍の強さ」を意図した演出なのかも。

上映時間2時間半は長すぎるかなあ?でしたが、 全く飽きずに見ることができ、白河市にあるNPO法人アウシュヴィッツ平和博物館のサポーターとして、スギハラをより知る機会ともなって良かったです。
ワタシ的には杉原千畝さんのヴィザ大量発給の行動は、国の方針をほぼ無視したという意味で外交官としても一人の人間としても良いとも悪いとも思えません。世界的には相当に高い評価を受けていますが…。みなさんはどう判断されますか?

なお、いくらスギハラがユダヤ人等にヴィザを乱発したとしても当の日本国が入国(通過)を認めなければ意味がなく、実際に敦賀港経由で入国を認めた当時の日本も評価されるべきだとは思います。陸軍の幹部ではユダヤ人の国を満州または付近に作ろうという構想もあったくらい。太平洋戦争で完全に悪者扱いですが、実はこういう事もあったし、インド独立を間接的ながら助けたりしているんですよね。義務教育の歴史の教科書には書かれてないでしょうが。

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ドイツによるユダヤ人等の殺害・弾圧は酷い事実で、私は2002年のアウシュヴィッツ見学で実感しました。約3km離れてビルケナウ強制収容所もあり、こちらの方が規模が大きかった。難解なポーランド語に代わり日本語のガイドブックが用意され、理解を深めました。同ブックには淡々と事実が記されているのみで、特にヒトラー総統や独軍を批判したり、悲劇・悲惨とかの言葉は一字一句もなく、自ら考えて欲しいということでしょうか。今の若い人にも少しはこういう歴史の事実から何かを考えて欲しい。