KBTのブログ

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日中線記念館

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 11日の訪問した福島県喜多方市の日中線記念館です。1984年(昭和59年)に廃止された国鉄日中線(喜多方~熱塩、約14キロ)の終着駅、熱塩駅構内をそのまま記念館とした施設です。入場無料の代わりに無人で見学はご自由に…という感じ。簡素な記念館と思いきや、実はかなり展示内容が豊富でハマりました。まずは当時でも珍しかったヨーロッパ調の駅舎を見学(上の画像)。間取りがきっかりメートル単位というのもユニーク。待合室・駅長室が○mジャスト×○mジャストとかいう具合。土地がゆったりしていたのでしょうが、設計者の遊び心が感じられます。駅長室など中も開放され(9~16時頃のみ)、多数の鉄道用品や記念切符などが展示。ほかに、錆びついた踏切が門番のように建っていたりしてます。

 構内には貨車キ287とオハフ61 2752が連結して頑丈な屋根の下に大切に保存されています。貨車は無動力のラッセル式除雪車で、常時ラッセルを開いたままで展示中。(全国でもここだけ!)無動力なので機関車の前に連結して押してもらい、ラッセルの開閉などの動力も機関車から圧縮空気を送って利用という戦前設計の古典的な除雪車でした。それでも頑丈で重い車体だから昭和の時代までは除雪に充分役にたったようです。今は除雪はすべて専用のディーゼル機関車でやっています。(一部のローカル私鉄ではこのタイプがいまなお現役)
 
 客車もやはり戦前由来のもので、木造車体を全金属製に更新した60系客車です。(画像下)御覧のようにレトロ感満点!日中線で最後まで走っていた客車の一部ですが、昭和59年といえども国鉄線でこんな古~い客車を使用していたのはここと数路線くらいで、大赤字路線でカネをかけたくなかったのがよく分かります。もっとも今の時代に走らせたらレトロであっという間に人気になるかもしれませんが。
 
 全体的には保存状態がとても良く、ボランティアを含めて大切に維持されていてその意味でも感動しました。客車のテーブルが中学生が工作したような不格好なバルサ材のものに取り換えられていたり、室内灯が家庭用の丸型蛍光灯(原型は白熱灯)になっていたり、そのための100V電線やコンセントが隅っこに見えていたりするのがご愛敬でしょう。桜の時期にでもまた来たいですが、基本的にはクルマでしか来れないのでそう機会はなさそう…。平日なら喜多方からバスはありますが、かならず15分で折り返すダイヤでたったの15分では見学は無理、次の便は3~4時間後になってしまい非常に不便。近くの熱塩温泉でゆったりすれば3~4時間はつぶれるので、よほど時間のある時にそうしましょうか。