KBTのブログ

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生駒トンネル

地元の作家 住井すゑ著「橋のない川(一)」読書中です。(七)まであるのですが、(一)だけで文庫本で約650ページもあり読破に相当な時間(約2ヶ月)要します。ただ、明治末期から大正時代の農村を描いているわりに易しい口語体で、病院で3時間待っている間に100〜120ページ読めちゃったりします。西園寺公望氏と桂太郎氏がとっかえひっかえ首相につく等の話が興味深い。
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超地元の住井すゑ文学館、建物はリフォーム完成し9月オープン予定、今は内部の書籍や資料搬入中です。それに向けての読書♪

(一)巻末の500ページ付近に大阪電気軌道(大軌)生駒トンネル工事の話が登場。登場人物の関係者が工夫として働くことから。工費200万円の大金〜明治末期ころの1円→現在の200万円くらいで、計算すると(現在の)約400億円!大軌はのちの近鉄ですが当時はそんな大会社でなく、富豪の個人会社的で資金調達が困難だったようです。それでも、生駒山の東西から掘り進み、毎日より多く掘れた側にボーナス出す!とか「橋のない川」に記述されています。当時最長の笹子トンネル(単線のトンネル)には長さで及ばないものの、複線で標準軌と自慢。生駒トンネルは3388mあり1914年(大正3年)に開業。1964年に新生駒トンネルが開通するまで使われています。

・笹子トンネル:その後にもう1本掘られ下り用に。最初にできたトンネルは現在は上り用に使用。

トンネル掘削で監督の日当が47銭、男子の工夫が30銭・女子が20銭ほどとも記述。ちょっと安いように思えます。米が高騰という話もあり、大阪市内で1升(=10合)22銭〜たしかに高すぎです。1升=1.5kgでなんと現在の4400円くらいですか。それにしても作者は当時の物価よく調べたものです。

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現在の近鉄の電車。山登り用に強力モーター搭載。今でもJRの関西本線生駒山を大迂回していて、近鉄の2つの路線(奈良線けいはんな線)だけが大阪と奈良を長大トンネルで直結です。私鉄王国ですなあ。